ある日のスタジオ
舘さん(guitar)と仲田さん(bass)と、スタジオに入る。
発表できるのはいつになるんだろうか…
でも作ってます。
このスタジオは閑静な住宅街にあって、目の前が学校の校庭。
昼間はベランダに出るととても気持ちいい。
買い出しに行こうと
知らない道をぶらぶら歩いていたら
ぼろぼろのアパートの前で
この子と目が合ってしまった。

目が合ったらすぐに立ち上がって
あまりになさけない顔をしているので
しゃがみこんで10分くらい話した。

globe
globeを観に、国際フォーラムへ。
日本初(?)の新しいPAのシステムを導入したらしく、
おっそろしく音がよくて、うずうずしてくる。
音の粒が目に見えそうなくらいクリアに、
会場を彷徨わずに、
ダイレクトに飛び込んでくる。
radio
『朝から生なんだよ〜』と前に聞いていたのを思い出して、
ラジオを取り出して
父がゲスト出演しているJ-waveの生番組の最後のほう聞く。
うちにはラジオがこれしかありません。
災害用に買ったのだけど…可愛い。

リストランテ・アガペ
曲や文章を書くことやaquadropsの作業には
仕事納めなんていうものは無く、
年末も正月も関係ないのだが、
外に出る仕事としては今年は世間より少し早い25日が仕事納めで、
青森テレビのナレーション。
来月分の番組で、青森の食材を調理してくれたのは、
広尾にある『リストランテ・アガペ』の真中シェフ。
先日このレストランに制作チームとのおつかれさま会もかねて訪れた。
場所はフランス大使館の隣。
レストランの前に立った瞬間からが、既にディナーの始まりという感じ。
洋館がまるごとそのままレストランになっていて、
お食事は吹き抜けの地下の広いスペースでいただく。
実際番組で作っていただいた料理をいただいたのだが、
スルメイカを使った、リゾットの上にフリットを乗せた料理が特に絶品…!
一品一品に真中シェフのアイディアがいっぱい詰まっている。
その後デザート&バータイムには3Fのほうへ。
細い階段を上がっていくと、落ち着いた雰囲気の小部屋やサンルームがあり、
たぶん晴れた日のティータイムは開放感に満ちあふれているのだと思う。
また来てみようと思う。
真中シェフは、そこにいるだけで”シェフ”のオーラがゆらゆらしている人。
とにかく仕事が早く、ものすごい集中力だそうだ。
想像力と集中力。
その二つを常に働かせている人は、妙に眼光が鋭い。
"You are so beautiful" そしてハイディーのこと。
NYにはあまりに様々な種類の人がいるので、
人間ウォッチングがおもしろい〜とか言っていられない。
(あまりウォッチすると危なそうな時もあるし)
サブウェイで家に戻っている途中、
大好きな女優であるクリスティーナ・リッチに似た、
髪を真っ黒に染めた女性が乗ってきた。
それだけで見とれてしまったけれど、
難しそうな資料を取り出したものだからさらにグッときてしまった。
じろじろ眺めながら(自分ではさりげなくて見ているつもり)、
「you are so beautiful!」とヒトコトだけ言って去りたい衝動にかられた。
けれど、そうしなかった。
だけど、もし言ったとしても彼女は変な目で見なかっただろうし、
パッと笑顔で「Thanks!」とさらっと言ってくれたと思う。
アンティーク市でも、
小柄でカジュアルな美しいブロンドの女性に見とれた。
顔がとても繊細な造りで、うーん、名前を忘れてしまったけど
すごく似ている女優がいたなぁ……
まだ20歳くらいにしか見えなかったけれど、
ベビーカーに生まれたての赤ちゃんを乗せていた。
こんなに可愛い人の夫になれて、赤ちゃんを産んでくれるなんて
なんて幸せな人がいたもんだろう、と思った。
そんなふうに、美しい女性をたくさん見た。
きれいな女の人は無意識に周りを幸せにする。
もちろんそれは顔や身体の造りのことだけではない。
気品と優しさの空気に触れると、ありがとう、と思う。
男の人でも女の人でも、素敵だと思うとすぐに言いたくなる。
褒めることは、日本人同士だと自然にしにくいことなのだと思う。
容姿のことだとなおさら。
私だって日本にいたら見ず知らずの人に『綺麗ですね』なんて言えない。
ハイスクールの1、2年の時いつも一緒にいた、
都会版『長靴下のピッピ』みたいな、
ハイディーという女の子のことを思い出した。
彼女は足が私の背中のあたりからはえているような、
顔のちいさ〜い7頭身の女の子で、背筋をピンと伸ばし、
時にハイパーすぎるほどエネルギッシュ。
人前で何かすることが大好きで、
次から次へと言葉が溢れ出てくるような子だった。
ハイスクール入りたての頃
私は全身真っ黒の装いで人とすごく距離を置いていたので、
ハイディのような太陽みたいな子と仲良くなると思っていなかったけれど、
彼女はどこにでも、誰にでも飛び込んでいける子だった。
日本人である私の容姿や態度が気に入ったらしく、
いつだって「you are so beautiful!」と言ってくれた。
コンプレックスのかたまりの私としては、
最初は『はぁ〜?なにが?』と思ってそう反応していたけれど、
そのうち素直に「Thank you!」と返すようになった。
彼女は、彼女の価値観で誰かに対して”いいなぁ”と思ったことを
すぐにその人に伝えたくなる人で、
それはとても自然なことなんだと感じたから。
私も、いつのまにか影響されていた。
“ステキだなぁ”と思ったらすぐ伝えたい、という人間になったのは、
ハイディーの影響が強いんじゃないかと、
今これを書きながら、気がついた。
5時間講習
NYの車の免許の更新を忘れていて
取り直しになってしまったため、
前回NYに帰ってきた時に筆記を受け、仮免を取っていた。
今回は、路上試験を受ける前に、
再度5時間講習を受けにミッドタウンへ向かう。
寒くて、雨降りで、気が重い。
電話帳で見つけたこのdriving schoolは、
小さなドアを開けると目の前に狭くて傾いた階段。
すぐに2階へ上がる構造になっている古いアパートの一室だった。
“広告はでかかったくせに…”と
内心不安になりながら手続きを済まし、別室で授業を待つ。
ひげもじゃもじゃの先生が無言で新聞を読んでいる。
新聞から顔を上げようともしない。
生徒は、身体の大きな黒人の男の子と、
英語が全く解らないらしいイスラエル?(そこも聞き取れなかった)の男の子、
それからNYネイティブらしい韓国人の男の子と、私の計4人。
ぎしぎしと鳴る椅子、
ビー玉転がしたら絶対階段のほうへ転がっていってしまうであろう床。
まだアンテナがついている、小さなテレビ。
一旦授業が始まると、無愛想で単調だと思われたヒゲ先生は
説明が明快でテンポも良く、
高校の授業を受けている自分を思い出した。
5時間講習の内容は、
16歳で免許を取った時にも全く同じことを習ったはずなのに、
半分以上覚えていなかった。
様々なSTOPサインの意味ですら、覚えていなかった。致命的。
こんな状態で運転していたのか。
というかマンハッタンなんてほとんどの人がそんな感じだろう。
無法地帯のようなものだ。
一時間も経つと、
部屋のあかりがチカチカと一段暗くなったり元に戻ったりを繰り返すのも、
もう気にならなくなる。
もう30年くらい使われているであろう講習ビデオを何本か続けて観ている間、
先生はふらりとどこかへ行ってしまい、
たまに帰ってきてM&Msのディスペンサーから一握り出してはまた消えてしまう。
20分の休憩のうちに、3ブロック先のスターバックスまで走って行って
大きいモカを買って帰ってくる。
あと2時間これでもつか。
5時間講習の後半は、たっぷり2時間、飲酒運転について。
アメリカは筆記試験も講習も、70%くらいが飲酒運転について。
交通の他のルールなんておまけみたいな感じ。
どこ行ったって車で行って帰らなくてはいけないから、
それだけ日常生活から切り離せない、大問題なのだ。
夜10時半。講習が終わり、無事CERTIFICATEをもらい、
またとぼとぼとsubwayに乗って帰る。
誰も居ない車両はTWILIGHT ZONEのようでなんだかヒヤッとする。
早く猫のいるうちに帰りたい。
急ぎ足になる。

宝物探し


アンティークのフリーマーケットへ行ってみる。
1930年代のシャンデリア用のクリスタルを見つける。
70年も前のものとは信じられないくらいの保存状態の良さで、
傷も曇りもない、昔ならではの色やカットのガラス達。
ヨーロッパの倉庫で眠っていたものがほとんどだけれど、
当時日本から輸入されたものもあった。
繊細で複雑なカットで輝く今のクリスタルガラスとは違った魅力。
厳選して、お買い上げ。
早くaquadropsで使いたい。
駅のホームで、目の細いおじさんが
“掘り出し物”だったらしい
大きなアート本を大切そうに広げ、見入っている。
おじさんがこれから帰る部屋が容易に想像できた。
オレンジがかかった色の電球、
埃をかぶった古い本が無数に積まれている。
アガサ・クリスティのぼろぼろのペーパーバックから
落としたら小指を折りそうなくらい重い心理学の専門書まで。
先祖のいるアイルランドに一度は行ってみたいと40年間思っている。
妻はいない。どこかに子供はいる。
写真がナイトテーブルに飾られているが
そのフレームのガラスも少し曇っている。
毛の長い猫と二人暮らし。
・・・そこまで想像したところで、
電車がきた。
クッキー

GREYDOG'Sで惹かれて買ってしまった
巨大なチョコレートチップ・クッキー。
食べる前に撮ればよかった‥と後悔。
タビちゃんが異様に小さいわけでも、
遠近法でもありませんよ。
しかし日本人の味覚にはこっちのクッキーは甘すぎて
この一枚を食べきるのに3日かかりました。
それにしてもニューヨークで食べる鳩サブレーはなんて美味しいんでしょう・・・
母が鳩サブレーファンで、黄色い缶箱欲しさに箱買いしたり
今やそれが有名になって頂いたりするものだから、
必ずうちには鳩サブレーが置いてあるのです。
コーヒーいれて、鳩サブレをしっぽのほうからぱくり‥。
そして、よぉし!原稿書くか!詩ぃ書くか!と、気合いを入れなおすのです。
[1992-2004 寫眞館ゼラチン EXHIBITION]
「寫眞館ゼラチン」という、
誰にも真似できない写真を撮るともだちがいます。
彼女が、12年間の作品をまとめた個展を開催します。
写真集「sound filter」にも[青さんx美雨]が
被写体となった作品が入っていますが、
実はその数年前にも、[青x美雨]の撮影をしたことがあります。
その、未公開の写真も展示されるそうです。
--------------
[1992-2004 寫眞館ゼラチン EXHIBITION]
・ 2004年12月24日(金)〜12月30日(木)
・ 11:00-20:00 ※最終日18時閉会
・ Design Festa Gallery ・ room.G-1
http://www.designfesta.com
(東京都渋谷区神宮前3-20-18 tel:03-3479-1433)
1992〜2004年までの作品、未発表も含め全て展示します。
12年間の作品をまとめた作品集、ポストカード等の販売あり。
-寫眞館ゼラチン-
http://sound.jp/gelatin/
風の強い日
毎週のお掃除の日。
午前中からHARUKOが来てくれて、
私も片付けや洗濯や雑用をまとめてせっせと片付ける。
ついさっきまで激しい雨風で
傘ごと吹き飛ばされそうになりながらミルクを買いに行ったのに、
帰ってきたとたんに サァーっと晴れ上がった。
二人分の簡単なお昼ご飯。
誰かとゴハンを食べるのは久しぶりな気がする。
母が作って行った焼豚でホットサラダと、チキンスープ。
HARUKOが住むハーレムのご近所さんたちの話が可笑しすぎる…
まだ日本では力車に乗っていると真剣に思っていたり、
(ホンダやトヨタはいったいどこの車だと思っているのだろう…。)
ベニハナでシュリンプが飛んできたらどうしよう??
と本気で相談してくる奥さんの話。
本当のハーレムのヌシは俺だ!と道ばたで喧嘩をはじめた、
ハーレムの歴史ならなんでも来い!という二人のおじいさん達の話。
エピソードの宝庫。
ハーレムはマンハッタンの他の場所とは全然違う。
人が温かくて、長く住んでいる人がたくさんいて、
まさに下町という感じ。
HARUKOの旦那様はアメリカ人なので、
「ダーリンは外国人」を読んでほしくて、かしてあげた。
外は、だまされて軽装で出かけてしまいそうな、暖かそうな陽射し。
そんな柔らかな光に似合わない強い風が窓にガツガツとぶつかっては上に吹き抜けていく。

再会
近所に住んでいるミオとナカぴょんとゴハンを食べた。
ニューヨークに来て一年未満の二人。
こっちで会うのは初めてだ。
待ち合わせの角に立って、NYのふたりを想像してみる。
向こうからさらっさらの黒髪のミオが笑顔で走ってくる。
耳には、aquadropsのブルードロップが変わらず揺れていて、
きゅんとしてしまう。
少し遅れて、ナカぴょんも背中をまるめて歩いてくる。
東京に居る時と同じ、いつものぼろぼろのジーンズ!
うれしい、うれしいっ
2人とも、ぜんぜん変わらない!
3人で近くのイタリアンへ。
お店のオーナーのロンダが、7歳くらいの男の子と一緒に
「これからカップケーキを買いに行くの、一個いる?」と声をかけてくれた。
‥なぜカップケーキ?とハテナに思いながらも「いる!」と返事。
どんぶり一杯分くらいのペンネ・アラビアータを食べ終わり
デザートメニューを手にした頃、
ロンダがテーブルにカップケーキを持ってきてくれた。
カップケーキなんて何年ぶりだろう、中学校、いや小学校以来かも…
見かけほど甘すぎない、家庭的な味。
小学校の校舎やクラスルームを思い出す、懐かしい食感。
アメリカでカップケーキといえば、
小さい頃から、家でも学校でも、誕生会などのパーティーには必ず出てくるおやつ。
パウンド生地に砂糖のかたまりがのっかって
上からレインボーカラーのスプリンクルがかかっているような
単純なつくりのケーキだけれど、
アメリカ人にはたまらない、思い出の味なのだ。
日本人だったら何にあてはまるだろう…
ショートケーキほど豪華でイベント的な存在ではないし…
どらやき・・・?
ちょっと違う。
デザートではないけれど、例えば何歳になってもヤクルトを懐かしー!
と感じてしまうのと似ているかもしれない。
レストランからの帰り道、隣のブロックの角に沿って15人くらいの行列。
そこはマグノリアというベイカリー。
ここは有名らしく いつも賑わっているけれど
ケーキ屋さんが夜10時過ぎに営業していて、しかも行列なんて…。
小さいお店のガラスの向こうで
店員さんが器用にケーキにデコレーションをほどこしている。
「あ!さっきのカップケーキここのじゃない?」ミオがめざとく気がつく。
私もやっと、あのカップケーキの特別さを理解する。
ロンダと男の子が並んで、買ってきてくれたんだ…!
自分はなんて鈍感なんだろう…
カップケーキの素朴の甘さと彼女の素朴な優しさが重なってよみがえる。
もう一回お店に帰って「ありがとうー!」をはじめから言いなおしたい気分だった。
クリストファー・ストリートで別々の方向へ。
バイバイ!と別れてから 振り返ると
ミオとなかぴょんのいつもの背中が見える。
家路につくふたり。
あたりまえのように街に溶け込んでいる。
rain city
雨のニューヨークの夜が一番好き、と誰かが言ってた
その気持ちはすこし分かる
一人にも、一人じゃないということにも、
どちらでも好きなほうに演出してくれる
green

母が日本へ発って家に一人になると、
家の中が急にがらんとしてしまう
カーテンの影や、ガラスの置物に反射する色が
ぐっと色濃くなって近寄ってくる
U2
街で、U2に遭遇した(!)。
6th avenueと38stのあたりで、
POLICEが集まりなんだかガヤガヤした団体が来るので見てみると、
トラックの上に組まれたステージの上で歌うボノが目に飛び込んでくる。
きゃぁぁあぁぁぁぁぁぁ
信じられない・・・っ
U2は「Vertigo」を演奏しながら(音量が小さすぎるけど)
6th Avenueをゆっくりと下って行く。
発見した時はみんなまだあっけにとられていたのだけど、
あっという間に群衆が流れてきて、大混乱。
あとはもう、U2と一緒に道を下っていこうとする人々の濁流に飲まれてしまう。
あまり思いがけなく、いつまでも余韻を引きずってしまう。
母も「キョーミなかった、っていうかむしろキライなほうだったのに、
見たら急に親近感…」とつぶやいていた。(かわいい)
アルバムのプロモーションで、あのままマンハッタンを下って
ブルックリンブリッジのたもとでフリーライブを行ったらしい。
(後でニュースで知った)
-x-x-x-x-x-
その夜、U2の新曲『vertigo』のPVを観て、
母が一言。
「・・・イカスミみたい。」
3人のNY
ニューヨークに到着した次の日、
兄も一日だけニューヨークに来ることになった。
3人がいっしょなんて、とっても珍しい。
いつぶりだろう……
母とリボン屋さんやアップリケの卸売り屋さんを見てまわる。
レースのリボン、クリスタルが埋め込まれたボタンなどを購入。
母も、探していたリボンを見つけてほくほく。
ちょうどお昼時にNYに到着した兄と、
テ・アドーレでランチの待ち合わせ。
しかし、U2に遭遇したおかげでずいぶんと兄を待たせてしまった。
ひさしぶりのテ・アドーレ。
いつだってホッとする場所。

大好きなここのクロック・ムッシュ。

隣のテーブルの、美しいブロンドの男の子。

lost sunset

窓の向こうにチラッと見えた鮮やかなピンク
ハッと気付いて 河のほうへ走ったのだけど
もう間に合わなかった。
swirling grapefruit

グレープフルーツを半分に切ってみたら
見たことがない"区切り"になっていました。
これ、中身もぐにぃ〜って曲がっているのです。
まるで布巾をしぼったみたいに。
個性的な子に当たったようです。
食べるの大変だったけど。。。
マッサージ


たびちゃんはよくあまえるようになった。
若い頃はプライドが邪魔してできなかったのか、
最近は違う部屋にいると遠慮なく呼ぶし
今もおかしな体勢で、膝に乗せたibookとおなかの間にむりやり丸くなっている。
すごく書きにくいよ…たびちゃん…。
「KISS OF LIFE」(エミリー・ヤング監督)パンフレットの原稿を執筆。











