mum
N氏から「NYにいますー」とメールが入っていた。
長年教授の仕事をしているN氏、
いつも教授にも内緒でNYに来て突然事務所に普通に行って驚かせたり、
気がつくと韓国に行っていたり、
かと思うと過労で入院していたり。
いつのまに来てたんだろう、と電話してみる。
夕方、SOHOのMercerの角で待ち合わせ。
角の向かい側にレストランまである巨大なロクシタンが開店していてびっくり。
N氏を待つ間うろうろしていたら、何故か店員に間違われる。
N氏がおみやげを買うのに付き合ってから、OMENへ。
お刺身とうなぎで心身満ち足りた気持ち。
時差が胃にきてあまり食欲がなかったので、一週間ぶりの日本食。
…というかひさしぶりの食事。
色々と話し込んで、
日本の仕事時間に合わせて夜中仕事をするN氏とバイバイして、
ひとり、イーストサイドのBowery Ballroomへ。
大好きな『mum』のライブ。
IDを忘れてセキュリティーに怒られたけれどしぶしぶ入れてくれて、ホッ…。
Bowery Ballroomは古くて、ギシギシいいそうな階段とゴシック調の手すりが好き。
着いた頃には終盤にさしかかっていたフロントアクトはmumのメンバーも参加するSlowblow。
フロアはキュウキュウではなかったので するするっと最前列の真ん中へ。
セッティングや色々で一時間くらい待って、やっとmum登場。
ステージにはmumの3人のメンバー、
そしてサポート?のドラム、バイオリン、キーボードの6人。
ボーカルのKristieがあまりに可愛くて、釘付けになる。
華奢な身体に、カーリーな髪が顔にかかり、時折じゃまそうに耳にかける。
充分に愛情を注がれたヴィンテージのブラウスにヒールのない靴。
12歳くらいの少女のままのように見える。
最初のほうは新しいアルバム「summer make good」から、ほぼ曲順通り。
物語を改めて強く感じる。
全員がほとんどの楽器を弾けるようで、一曲ごとにパートが変わっていく。
mac2台と古いのシンセサイザーが計3台と、とにかく楽器が多い。
子供が遊ぶような鉄琴、あらゆる形のハーモニカ、ベル…。
ギターをマイクに軽くぶつけたり、キーボードの裏を叩いたり、
それぞれ、なんでも楽器にしちゃう。
Kristieは歌いながらエフェクターをいじってリヴァーブや声質を調整し
ウィスパーボイスを楽器としてあやつる。
そしてアコーディオンを弾き、ベース、ギター、シタールを弾き、
薄いノコギリをびよんびよんと曲げながら弓で弾き、
キーボード、鉄琴…ひととおりできるようだ。
後ろに置いてある年季の入ったトランクには
たぶん子供のおもちゃ箱のようにありとあらゆる楽器や
エフェクターがぐしゃぐしゃに詰め込まれているんだろう。
アンコールで大好きな曲『green grass of tunnel』をやってくれた。
メンバーそれぞれが色違いのカウベルを手に持って、
無邪気に振りながらお互いニコッとしたのを見た時に、
ぐっとこらえていたものが喉の奥から鼻をつたって、目から溢れてきた。
ステージが見えなくなった。