20020510
「花展」のオープニングレセプション。
雨の中、たーーーくさんの方々が来てくださいました。
4人(実花ちゃんは海外)の女性は皆20471120のお洋服に身をつつみ、メイクアップをほどこして、笑い、握手をし、ハグをして、会場から溢れんばかりに訪れた友人知人達に祝福されました。
ありがとう!!!
興謝野文子さんが私達5人のために(もともとはフランス語で)書いてくださった文章。
LICA MIKA MIU YUKIKO YASUKOのために
彼女たちは
大きな 丸い眼を見開いて
ナイーブで、落ち着いている
彼女たちは 美しく 透き通っている
声を 敢えて張り上げはしない
虚ろな空間を夢み
人気のない建築をよぎって行く
お茶一杯で 愉しく過ごし
彼女たちは 優しく 闊達 頑固である
花たちの生を 邪魔せぬよう
彼女たちには 名がある
彼女たちは 季節の終わりを恐れ
きつすぎた言葉を忘れようとつとめ
壁に 作用する突風を あるがままに
彼女たちは 眺めて 一言も口をきかない
思索 瞑想 たくらみ
彼女たちは うわ言を言ったりする
ものおもいに ぼっとはしない
顔を 赤らめはしない
彼女たちには隠れたコードの構造があるので
花であり ますます花であろうと 夢みている
花たちの生を 邪魔せぬよう
彼女たちには 名がある
彼女たちは 絵を描き 糸を紡ぎ 布を織り
ヴェルヴェットの縁をくずす 彼女たちは輪郭を記してゆく
彼女たちは 段や壁をつくした服を縫い
剛直な音と妖精の声を 合成する
彼女たちは山の 葉むらの 満開の花のフィルムを撮る
ディジタル写真をプリントし
彼女たちは独唱を録音する
彼女たちは しなやかな人造女人=アンドロイドだ
コンクリーロの洞窟から 飛び出て
青山の大通りを駆け抜けて行く
花たちの生を 邪魔せぬよう
彼女たちには 名がある
彼女たちは 高下駄で大陸を渡って行く
彼女たちは 遠距離を恐れない
フラジャイルな花びらを宝として
彼女たちは おだやかにほほ笑む
つい自己紹介を忘れてしまい
彼女たちは シルクのスクリーンの上に描線となって生きる
彼女たちは ガラスの画面の上で変身を遂げ
可望的な象形文字のなかに 自らを流しこんでいる
花たちの生を 邪魔せぬよう
彼女たちには 名がある
彼女たち スナムの少女アビーサグでもない
ディアーヌ・ドゥ・ポワティエでもない
小学生のような前髪を垂らし
くやしさに叫びはしても、けっして泣きはしない
おびえることもなく 打ちひしがれることもない
都市のあちこちの空間を 厳かに 柔らかく 突き進みゆく
システムを探検して ネットとネットの間を跳ねる
砂時計の 真珠色の砂からぽろぽろ流れる 単純な「時」を愛する
花たちの生を 邪魔せぬよう
彼女たちには 名がある
花たちの生を 邪魔せぬよう
ひとりひとりに 呼び名がある
LICA MIKA MIU YUKIKO YASUKO